私がキャビンに閉じ込められていることが、
キャビンの外にいる人々にも明らかになっても、
しばらくの間、私はキャビンに閉じ込められたままでした


それは何故かというと、問題は『鍵』だったのです

キャビンの外で起こっていることは、
中からは見ることが出来なかったので、
聞こえてくる音(声)を頼りに想像するしかなかったのですが、
当然ながら最初、ちえちゃんは
外側から扉を開けようとしてくれました

でも、鍵が無いので開きません

そこで、ちえちゃんは
「誰か呼んでくるから待っててね

人を探しにいってくれたのでした

この辺で、私にも
『外側にあるはずの鍵』が今は失くなっていて、
扉が開かないのだとはっきりしました

そこで、私が着替え中に、
少々しつこくドアをノックした人がいたから、
その人が去っていく時に
鍵を閉め、鍵を持ち去ったのだと気付いたのですが、
その人が誰なのかは今も謎のままです

ちえちゃんがキャビン係のおばさんを連れて
戻ってきた気配があり、
扉を開けようと、「鍵はドコなの

…と言っているのが聞こえました

"Nem tudom


私も扉の内側から、このように言った覚えがあるのですが、
これを普通に和訳すると
「分かりません


このようになると思うのですが、
あの時の状況にふさわしく訳すならば、
「知らないわョ


あの状況下で、
『鍵がドコにあるのか』を一番知りたかったのは、
誰よりもこの私自身だっただろうと思うんですヨ…


長くてスミマセン

まだ続きます
